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◆イラン
中近東FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

「Asahi中東マガジン」◆(2010/12/21)HRW報告書 イラン:性的マイノリティーへの差別と暴力

「BBC」●(2012/05/12)What They Said: India's Balancing Act With the US and Iran
インドとイランの関係,微妙な対米関係とのバランスを目指す

「Blogs o fWar」◆(2013/03/29) Iran criticises Qatar for giving embassy to Syrian opposition

「Blogs of War」◆(2013/07/23) Iran sends conflicting signals after US lawmakers call for negotiations

CAIS: The Centre for Arab and Iranian Studies(英語.イランの元外交官によって1980年設立)

Columbia University Iranian Studies(英語)

D.B.E. 三二型」(2010/07/06)◆イランが人型ロボットを開発,大統領自ら発表

D.B.E. 三二型」(2012.09.03)◆イラン,エジプト大統領演説の訳をすり替え
>とばっちりを受けたバーレーンが理不尽すぎる.
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/09/03)イラン  「非同盟諸国会議」でのエジプト・モルシ大統領の演説を意図的に“誤訳”
「中東の窓」◆(2012/08/31)ムルシー大統領のテヘラン訪問
「中東の窓」◆(2012/08/31)ムルシー大統領のスピーチ(ペルシャ語への通訳問題)

D.B.E 三二型」(2013/06/02)◆禁酒のはずのイラン,密造酒飲んだ360人搬送

Encyclopaedia Iranica(英語)

FarsiNet - Iranian Persian Global eCommunity for Farsi Speaking People of Planet Earth

「FSM」:イランが微笑む本当の理由

「Guardian」◆(2010/10/14)Ahmadinejad to visit Israel border

「Guardian」◆(2011/01/11)Iran jails human rights lawyer for 11 years

Institut Francais de Recherche Iran(仏語)

Iran Defense Forum

Iran Virtural Library(英語)

IRIB(Isramic Republic of Iran Broadcasting) World Service(英語)

「Irish Times」◆(2010/08/22)Iran unveils new unmanned bomber

IRNA 英語版(イラン国営通信)

「Jerusalem_Post」◆(2011/01/11)Iran claims it nabbed Mossad spy trained in Israel

「Jerusalem Post」◆(2011/02/15)Iran confirms 1 killed, dozens injured in protests

「militaryphotos.net」:1979 Islamic Revolution of Iran
 イラン革命を特集したスレ
 処刑シーンもあるので閲覧には注意されたし

「militaryphotos.net」:The real Iran-may different from what you see in the media

「Nation Thailand」◆(2013/06/16) Reformist Rouhani wins Iran's presidential vote

「NY Times」◆(2013/06/16) Breaking News: Hasan Rowhani, a moderate candidate, declared winner of Iran's presidential vote

Payvand(英語)

Persia.it(伊語)

「Russia Now」◆(2011/02/01)Iran backs anti-Mubarak protests in Egypt

「Strategy Page」◆(2010/05/03)ARTILLERY: Iranian Coastal Artillery

「Strategy Page」◆(2011/01/16) IRAN: The Thieves Strike Back

「Strategy Page」◆(2013/04/21) IRAN: Adding To The Hurt
 イラン,経済制裁下で北韓への石油輸出を交渉中.
 一方,観光業停止で更なる打撃.

「Strategy Page」◆(2013/05/31) WINNING: Iran Struggles With Its Nazi Connection
 現代イランには,ナチス・ドイツと似た戦略的弱点が

「Strategy Page」◆(2013/06/13) IRAN: The Sure Thing
 イランのイスラーム法学者による選挙妨害戦術

「Strategy Page」◆(2013/08/16) IRAN: Nothing Personal, It Is Just Business
 ロウハニ新大統領が経済制裁問題を克服するのは,容易ではない

「The Economist」◆(2013/08/31) Iran’s oil industry: Dreaming of a new golden age
イラン石油産業の改革.外資導入を図るも核問題が障害か

「tnfuk」:(2009/12/24)【訃報】大アヤトラ,フセイン・アリ・モンタゼリ師(イラン)&また激しいことになってるかも

「tnfuk」◆(2010年03月18日)3月21日に新年を迎えるイラン,抗議行動は後退

「tnfuk」◆(2010/09/30)「イランのツイッター革命」の申し子,Haystackの顛末

「Togetter」◆(2010/12/08)12月7日,イランより

「VOR」◆(2012/01/16)イラン大統領報道顧問に禁固一年の刑
>イランのハヴァンフェクル大統領報道顧問がハメネイ師を侮辱したとして禁固1年

「VOR」◆(2012/02/25)プーチン首相:西側はイラン政権の交代を試みている

「VOR」◆(2012/03/02)イランで議会選挙行われる

「VOR」◆(2012/03/10)イラン南部で新たな油田発見

「VOR」◆(2012/03/11)イラン 武器貿易を拡大へ

「VOR」◆(2012/04/02)イランの人工衛星 軌道上で任務終了

「VOR」◆(2012/04/03)イラン政府 ロイター通信を閉鎖
>ロイター通信がイランで忍術の訓練を受けている女性をビデオ撮影した際に殺人者と呼んでいた事について,イラン当局はロイター通信テヘラン支局の業務を一時停止する措置をとる.

「VOR」◆(2012/04/23)イラン 北朝鮮に85トンの人道援助

「VOR」◆(2012/04/30)アルメニアとイランの外相会議 テヘランで協力協議

「VOR」◆(2012/04/30)ロイター通信 テヘラン支局長 法廷に
>イランのプレスTVによると,イランで訓練を受けている女性忍者が将来の暗殺者となる,とロイター通信が報じた件に関する裁判で,同通信社のテヘラン支局長が近く出廷する見込み.

「VOR」◆(2012/05/15)イラン シーア派イマームの歌を発表したラッパーに死刑判決

「VOR」◆(2012/05/22)宗教保守派 イラン大統領を非難

「VOR」◆(2012/05/29)イラン 石油と引き換えにタジクの飲料水

「VOR」◆(2012/06/04)イラン ネクタイ販売の衣料品店に宣戦布告
> イランでは1979年のイスラム革命以降,ネクタイの販売が禁止されているが無視されており,英ガーディアン紙によるとイランでのネクタイ販売量は逆に拡大.私企業の社員や学生が好んで着用する他,パーティーや結婚式の参加者の間にも普及している.
> 警察は輸入業者に対し,ネクタイの取り扱いをやめなければ店舗を閉鎖すると警告し,国内の織物業組合と衣料品販売組合にはネクタイのイメージを含むロゴの変更を指示.

「VOR」◆(2012/06/05)イラン 新しい宇宙船発射基地

「VOR」◆(2012/06/08)イラン 月に「ペプシ」マーク映写の噂に大騒ぎ
> イランでは数日前,インターネット上に,米のペプシ社が強力なレーザー光線を使って月に自社のロゴマークを映写する前代未聞の宣伝アクションの実施を決定した,との噂が書き込まれ,瞬く間に拡散.
> この件について倫理的道徳的側面を非難した「ジャーナリスト達」の発言・記事も噂を煽る結果となった.
> 技術的な可能性についてかなり懐疑的だったが,多くの人たちが当日,街頭や屋根の上で1時間ほど月を眺めていたが,当然ながら何ら変化は現れなかった.
> この悪戯の発案者は不明だが,月を眺めようと屋外に出て,それなりに楽しい一時を過ごした人々から不満の声はほとんど上がらなかったとされている.

「VOR」◆(2012/06/11)イラン女性 男性同伴でのEURO2012観戦禁止

「VOR」◆(2012/06/25)2名のイラン人に 泥酔で死刑宣告

「VOR」◆(2012/07/05)イラン 武器供給不履行としてロシアに40億ドルを求める

「VOR」◆(2012/08/13)テヘランのバーレーン大使館,一年ごしの開館

「VOR」◆(2012/08/16)イラン,米国からの人道支援物資を拒絶

「VOR」◆(2012/08/26)イランで非同盟運動サミット開幕
「中東の窓」◆(2012/08/22)イラン反政府宗教人の非同盟会議への呼びかけ

「VOR」◆(2012/09/23)イラン 教育分野で女性に制限
> イランの30の大学では女子学生の履修科目の選択を制限する新規則が導入され,核物理やサイバネティックス,英文学など約80科目の履修が禁止される.
> イラン当局は出生率低下に懸念を示しており,大学生の多くが女子学生である事を指摘.
> 人権活動家らは今回の措置について,高等教育を受ける女性を減らそうとする試みだとして非難している.

「VOR」◆(2012/10/23)イランで麻薬販売容疑の10人,絞首刑
> AFP通信によるとイラン当局はアムネスティ・インターナショナルの呼びかけに応じず,麻薬販売容疑で有罪判決を受けた10人の絞首刑を執行.
> テヘラン司法当局のウェブサイトによると,10人は1t以上のアヘンや覚せい剤を販売したとされている.
> アムネスティー・インターナショナルは再三,麻薬売買への死刑適用は不当な量刑だ,とイランに勧告.
> 人権団体は,イランの麻薬取締りに関する法律では,上訴ができないなど,被告は公正な法廷プロセスが保障されていないと考えている.

「VOR」◆(2012/10/25)イランに関する特別法廷,ハーグで開設
> この法廷は1980年代にイラン国内で政治犯が秘密裏に処刑されていた事の証拠を審理する物で,法廷を開設した人権活動家らは,この裁判には法的拘束力はないが,道徳的観点からの影響力を発進する事が期待されている,と述べる.

「VOR」◆(2013/05/13) イラン大統領選挙 686人が立候補

「VOR」◆(2013/08/15) イラン 1兆8000ドル相当の埋蔵石油が発見

「VOR」◆(2013/09/17) イラン フェイスブックやツイッターへのアクセス 数年ぶりに可能

朝目新聞」●Twitterとイラン騒動,ネットとメディアに何が起きたのか  (by RinRin王国)

「アルファルファモザイク」◆(2010/03/24)中世ペルシア諸王朝史を語るスレ

イラン代表とペルシアン・サッカーのページ

イランの現在(ブログ)

イランの紹介(岐阜大学イラン人留学生のサイト,リンク切れ)

イランへの扉

イランへの扉>リンク集(充実しすぎ)

関西イラン研究会

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/02/28)イラン国会議員選挙 改革派はボイコット 保守派内の争いで反大統領派伸長か

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/08/17)イラン  求心力を失うアフマディネジャド大統領 大統領制廃止の議論も

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/11/14)イラン制裁で追い詰められるアフガニスタン難民 イランとアフガニスタンの関係

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2013/05/12) イラン  大統領選挙にラフサンジャニ元大統領出馬 立候補が認められるかは不透明

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2013/06/13) イラン大統領選挙  “保守派候補間の争い”から“改革派が支持する保守穏健派善戦”へ,流れに変化

「スパイ&テロ」◆(2010/11/30)ウィキリークス情報とイラン=北朝鮮関係

ダルビッシュ有ファン・サイト(笑)

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/06/20) 【田中秀征 政権ウォッチ】イラン大統領選で民主主義が機能した!

「中東の窓」◆(2012/06/29)イラン外相の逮捕(キプロス)?

「中東の窓」◆(2012/07/04)エジプト・イラン関係

「中東の窓」◆(2012/09/23)ラフサンジャーニの娘の逮捕

「中東の窓」◆(2012/10/04)イエメン大統領のイラン非難

「中東の窓」◆(2012/10/08)イラン・アゼルバイジャン関係

「中東の窓」◆(2012/11/04)イラン議会の大統領召喚

「中東の窓」◆(2013/02/24) イランの湾岸諸国非難
>革命防衛隊地上軍の司令官が,湾岸諸国(複数だが国名は特定していない)が,イラン内のテロ組織に資金,兵器,訓練を与えて,イランの東南部でのテロ活動を支援していると非難

「中東の窓」◆(2013/04/01) イラン・エジプト関係

「中東の窓」◆(2013/04/06) イラン臨時代理大使宅への抗議(カイロ)

「中東の窓」◆(2013/04/09) イラン・北韓連帯

「中東の窓」◆(2013/04/19) イランのアフワーズにおける大量逮捕

「中東の窓」◆(2013/04/22) ロシア艦隊のイラン寄港

「中東の窓」◆(2013/04/28) サルマンルシュディに対する暗殺呼びかけ(イラン)

「中東の窓」◆(2013/05/01) ハメネイの発言に対する湾岸の反発

「中東の窓」◆(2013/05/03) イラン皇帝長男のイラン国民評議会報道官任命

「中東の窓」◆(2013/05/22) イラン大統領選立候補者の絞り込み

「中東の窓」◆(2013/05/22) ラフサンジャーニの失格(イラン大統領選候補者選考)

「中東の窓」◆(2013/05/28) 大統領候補はインターポールのお尋ねもの?(イラン)

「中東の窓」◆(2013/06/01) イラン大統領選挙(警備問題)

「中東の窓」◆(2013/06/02) イラン大統領選挙(TV討論)

「中東の窓」◆(2013/06/05) 反体制派宗教指導者の葬儀と反政府スローガン(イラン)

「中東の窓」◆(2013/06/21) イラン新大統領に対するサウディからのエール

「中東の窓」◆(2013/08/16) イラン閣僚の議会による承認

「中東の窓」◆(2013/06/08) イエメンの対イラン警戒態勢引き上げ

「中東の窓」◆(2013/06/29) イランの対イエメン干渉

「中東の窓」◆(2013/08/25) イランの死刑執行
 秘密裏の執行&大部分が政治犯

「中東の窓」◆(2013/09/27) 米・イラン大統領の電話

「中東の窓」◆(2013/10/02) ハタミ元大統領の警告(イラン)

「中東の窓」◆(2013/10/03) ロウハニ大統領に対するイラン議会の支持

「中東の窓」◆(2013/10/05) 米とイランの複雑な関係

「中東の窓」◆(2013/10/09) 英・イランの大使館再開?

「中東の窓」◆(2013/10/17) イランの石油施設の爆発

ていわのイラン情報

「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/24)◆ イラン,政治犯ら80人恩赦 欧米との緊張緩和狙い|MSN産経ニュース

「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/10/16) ◆イラン軟化で原油下落も 輸出規制緩和なら100ドル割れ予想|SankeiBiz

「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/10/29)◆ [FT]原油投資誘うイラン,欧米に示す好条件 | 日本経済新聞

「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/11/01)◆ 日本など4カ国のイラン産原油輸入,19月は前年比‐11.5%|ロイター

「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/11/03)◆ Iran criticizes Iraq for | Jakarta Post
イランがイラクを非難,イランの産油抑制を,イラクが補填と

「日本語で読む中東メディア」◆(2013/04/23) 中国のイラン産石油の輸入量が飛躍的に増加 (al-Hayat紙)

テヘラン大学日本語学科

テヘラン日本人学校

東京外大ペルシャ語専攻ホームページ

「日本語で読む中東メディア」◆(2010/07/09) トルコ,イランにガソリン提供―再びイランへ救いの手 (Milliyet紙)

「日本語で読む中東メディア」◆(2013/06/08) イラン,ヨーロッパから60万トンの小麦を輸入 (Jam-e Jam紙)

「ニューズウィーク」:ハーシュのイラン論

「ニューズウィーク日本版」◆(2013/09/27) イラン新大統領は「穏健派」?

「ワールド&インテリジェンス」◆(2013/05/13) ラフサンジャニが今や改革派とは・・・

●2009年大統領選挙騒擾事件

Iran Unrest Shifts Power Dynamics

「MEMRI」:衰微するイランの抗議運動
>イランの選挙から2週間すぎた現在、イラン政府は抗議運動の鎮圧に成功したようにみえる。

「スパイ&テロ&騒擾事件」:ラフサンジャニはハト派?

●書籍

『イランのシーア派イスラーム学教科書』(富田健次訳,明石書店,2008/10/27)

『イランのシーア派イスラーム学教科書 II イラン高校国定宗教教科書【3,4年次版】』(富田健次著,明石書店,2012/7/27)

『ホメイニ師の賓客 イラン米大使館占拠事件と果てなき相克』(マーク・ボウデン著,早川書房,2007.5)

 読了.
 ちと違いな気もするけど,デザート・クロウでデルタが活躍?するから許して.

 そのデルタの選抜が独特.
 目標数値を明示せず,「○○へ行け,なるべく早く」とだけ指示する.
 自分の成績が候補者の中で,その辺かも教えない.
 結果,単独行動を好み独立心旺盛な隊員が集まったとか.
 この辺,SASとかはどうなんだろ?

 結果的にはサダム・フセインが,「白馬の騎士」になっちゃったんだよなあ.
 皮肉な話だ.

 人質が虐待される場面を読んでて辛かった俺は,軍板住民失格かもしれない.

-----------------軍事板,2011/11/22(火)

◆◆総記


 【質問】
 イランはなぜペルシアから国名を変えたんですか?

 【回答】
 「ペルシア」はアケメネス朝発祥の地名から来たもの.
 「ペルシア」という表記はギリシアなまりだけど,もともとペルシアの地名.
 「イラン」は民族名.

 20世紀になって,パフレヴィー朝の時に国王が民族主義を唱えて国名を「イラン」にした.
 「ペルシア」から「イラン」に国際的な名称変更を求めた,イラン外務省の通達が出たのは1935年3月22日.

世界史板


 【質問】
 「イラン」という言葉の意味は?

 【回答】
 井本英一によれば,「アールヤ人らの」をあらわす古代イラン語アルヤーナーム Aryânâm が,中期ペルシャ語でエーラーンÊrânとなり,ペルシャ語でイーラーン Îrânとなったものだという.
 「アールヤ」は元は「アルヤ」 Arya という言葉で,「人間」または「人間の特性」を意味したらしいという.
 イラン人のみでなく,インド人も自らの呼称として用い,古代ペルシャ語ではアリヤ Ariya-,アヴェスター語ではアルヤ Airya-,サンスクリット語ではアルヤArya-と言ったという.

 さらにその言葉の元は,「息をする」という意味だったが,それが「たましい,呪術的な生命力」と解せられ,人間のある種の能力と考えられるに至った,と井上は述べている.

 詳しくは『文明の十字路』(京都大学学術調査隊編,平凡社,1962.10.20),p.61-62を参照されたし.
 ちなみにたぶんお気づきだろうが,「アーリヤ人」という言葉のルーツも,これと同一.


 【質問】
 イランの民族構成は?

 【回答】
 イランも多民族国家である.
 今日,イラン国民の大多数を占める住民は,ペルシア系イラン人で,その比率は60〜70%と考えられるが,津田元一郎によれば,
「厳密な事はよく分からない.その上,混血が甚だしいので,外見上もなかなか区別をつけにくい」
という.

 以下,津田による雑感である.

 一般に,ペルシア系,クルド系はアーリアンとされているが,アーリアン民族説そのものに疑義が生まれているので,今は一般論として分類するだけに留める.

 その内部でもまた様々に分かれ,クルドでも,サナンダージ系,しかも宗派的に,スンニ派のクルドとシーア派のクルドに分かれ,ケルマンシャー系は,サナンダージ系と一線を画している.
 クルドは中央にもかなりか進出しており,私の計算では,中央官庁でも5〜10%の比率を占めている.

 ペルシア系は,人口の3分の2を占めているが,別にペルシア系の団結という傾向はなく,他の小集団と入り混じっている.
 事実,我々には,ペルシア系,クルド系,トルコ系などの区別はつけにくい.
 ただ,一般的印象は,ペルシア系には,より空想性・享楽性が強く,現実的・実践的性格が弱い.
 歴史的に見てもペルシアでは,絶えず他の少数民族が行政・技術・経済などの実務的仕事の分野で活躍してきた.

 マイノリティの内で最大のトルコ系は,人口の5分の1を占め,中央への進出も目覚しい.
 トルコ系は,官庁においても忠実・着実な官僚であり,中堅幹部として,イラン行政の不可欠な要員である.
 テヘランの野菜・果物の供給・販売は殆どトルコ系に独占され,バザールの一般的活動においてもトルコ系の占める比率は高い.
 トルコ系住民は実に広範にイラン全土に分布しており,その構成も実に多様で,その種族数だけでも主要なもの6種,数十の部族に分かれ,西の果てアゼルバーイジャーンから東の果てホサーラーンまで,さらに南はシーラーズ付近にまで分布している.
 日本で有名なトルコマンだけでも,イランで2種,16部族があり,トルコ系最大のシャーサワンは,46もの部族に分かれている.
 ヨーロッパ人的印象を与える者から蒙古系的印象を与える者まである.
 私はかつてゴンバド・カブスの女子師範を訪問したとき,周りに群がってきた女子学生の中に,あまりに日本人に似た娘達がたくさんいるのに,全く驚いてしまった.
 カスピ海東岸にはトルコ人が多く,トルコマンが日本人に一番よく似ている.
 しかしトルコマンほどではないが,マシュハドの女子師範にも日本人に似た娘が幾人かおり,不思議なことに,向こうでも,日本人である私に格別な親愛の情を示した.

 イラン産業の中核をなす石油産業においては,イギリス時代から先端的技術を担ってきたのはアルメニア人であり,今日でもアルメニア人が担っている役割は極めて大きい.
 アルメニア人は,外国系企業のセクレタリー,通訳,ホテルのフロントなどにも不可欠の存在.街の小奇麗な喫茶店,居酒屋,菓子屋,洗濯屋,理髪店などは殆どアルメニア人で,さらには機械修理,運転手などにも進出している.
 イランの文化,特に外国との接触部門に,アルメニア人の果たしている役割は大きい.
 アルメニア人はソ連においても,音楽,美術,研究などの分野で活躍している.
 アルメニアはペルシャ帝国の一部だったが,今ではソ連のアルメニア共和国になっている.

 既に300年以上も前,1606年,ときのシャー・アバス大帝は,手先が器用でメカニックにも強いアルメニア人の才能に目を付け,アゼルバーイジャーンから数千人のアルメニア人をエスファハーンに移し,産業振興の中核たらしめ,厚い保護を加えた.
 今でもエスファハーンのジュルファに行くと,教会,学校,病院,クラブなどを持ち,約1万5千人のアルメニア人が一独立社会を形成している.

 アッシリア人は,人口は約2万と少ないが,アルメニア人と同じように文化的な階層を占めている.
 歴史の舞台からアッシリアが消えて久しく,国土はイラン内ということになるのだが,近時,アメリカに移住する者が多く,既にアメリカに一社会を形成している.

 ユダヤ人は金融分野で活躍,テヘランの中心街フェルドーシーのマネー・チェンジャーは殆どユダヤ人である.
 外国向けの絨毯屋,骨董屋にもユダヤ人が多く,フェルドーシーでも,表通りはユダヤ人,裏通りや横町にペルシア人,トルコ人などの業者が多い.
 既に5万人がイスラエルへ移住,6.7万人がイラン国内に残っている.

 イランはイスラーム国だが,イラン人は内心,アラブ人を軽蔑している.「汚い」という表現をする者もいる.
 南に行くと,アラビア系イラン人がいるが,生活程度は低く,別の部落を作っている.

 イランでは,こうしたマイノリティー,すなわち,ユダヤ人・アルメニア人・アッシリア人などが案外,裏面で社会を動かしている.
 概してアッシリア人,アルメニア人は目鼻立ちが整い,美人が多い.
 イラン人の中で英語のうまい者にも,アッシリア・アルメニア人が多い.どこでも,少数民族のほうが伝統社会に束縛されずに外国人に近付き,外国語を習得するチャンスが多いのかもしれない.
 マイノリティーは母集団に負けないためにも教育熱心であり,そのことがまた,若者の社会進出を促すのかもしれない.

(「アフガニスタンとイラン」,アジア経済研究所,1977/3/31,
p.108-110 & 165-166,抜粋要約)

 ただし,引用データはイラン革命前のものであり,現在は,特にイラン系ユダヤ人の社会的地位は大きく変わっている可能性がある.


 【質問】
 カシュガイ族,バクチアリ族とは?

 【回答】
 イランの遊牧民.成人男子は全員が銃器の扱いに通じた武装集団でもあるという.
 以下引用.

 イランには約70万人のカシュガイ族,約60万人のバクチアリ族がいると推定されるが,成人男子は全員が銃器の扱いに通じた武装集団でもある.
 カシュガイ族が比較的にザクロス山脈南部から平野部を動くのに対し,バクチアリ族は同山脈北部をテリトリーにする.自然条件に大きく生活が左右されるため,バクチアリ族は運命論者が多い.
 バクチアリ族はまた,カシュガイ族以上に定住化が進み,現在,純粋に遊牧生活を送っているのは,20万人程度.
 古代ペルシャ以来,イランを遊牧テリトリーにしているが,先祖はトルコ系である.
 このため,イラン人からは様々な社会的差別を受けている.
 イスラームに改宗はしたが,シーア派の教義には余り拘らない.
 権力者にとり,いつの時代にも遊牧民は厄介な存在であり,定住化政策がパフレビー時代以来進められてきた.
 両族にとって最大の課題は,武器所有禁止の動きが進んでいることである.

(林茂雄「イスラムのシルクロード」,芙蓉書房出版,1997/1/25, P.85-86,抜粋要約)


 【質問】
 イランがシーア派になったのは,イランがペルシャ文明を受け継いでいるので,イスラムに完全に同化しなかったことが原因のひとつなんですか?

 【回答】
 ・・9世紀頃のターヒル朝・サッファール朝・サーマーン朝の,いずれもイラン系の王朝が成立.
 これらの王朝が順に興亡したことにより,イラン史では「アラブの軛」を脱した事.
 ・同時期に近世ペルシア語が大まかに形成され,ペルシアの伝統やペルシア語への誇りが復活.ペルシア文芸復興と呼ばれる時代を形成.
 ・恒常的なイスラーム世界中心部へのテュルク族の移入により,社会的流動性が活発化.
 ・イラン地域での社会上層部を中心にイスラームへの改宗.・9世紀後半にシーア派の一派ザイド派の,アリー朝が成立するなど地域独自の勢力を形成.
 ・10世紀にはブワイフ家がシーア派を奉じて, スンナ派のアッバース朝がその支配権を承認するという状況を引き起こした事.
 ・エジプトでシーア派イスマーイール派のファーティマ朝が,カリフを称したことによりアッバース朝カリフの権威が衰退.
などが主な要因.

 現在のイランやアゼルバイジャンで12イマーム派のシーア派が多数派になっているのは,16〜18世紀初めに今のイランを中心とする版図を支配したサファヴィー朝が12イマーム派のシーア派を採用し,当時はスンナ派が 多数派だった支配下の住民にも宗旨替えを進める政策を採ったからで,宗教的なり文化的な要因というよりは時の政権の政治的な要因.
 サファヴィー朝のシーア派化政策は政治的な要因によって始められたが,現在でも公用語のペルシア語を母語とするイラン国民でも全人口の半分ほどしか占めないくらい民族や言語が多様なイランという国にもかかわらず,イラン国民の圧倒的多数がシーア派の信徒という,スンナ派が多数派である他の多くのイスラム教国とは際立って異なる宗教的な人口構成になったことによって,次第に「イラン人であること=シーア派の信者であること」というような,宗教的・文化的にイラン人アイデンティティやイラン・ナショナリズムの支柱となる思想が生まれてきた点が重要.

 サーサーン朝最後の皇帝のヤズデギルド3世の娘が,アリーの息子で第3代イマームのフサインと結婚して,第4代イマームのザイヌルアービディーンを産んだ,というようなイスラーム以前の古代ペルシアの伝統と.シーア派との密接な関係を強調するような伝承が,広められたのもこのため.

世界史板


 【質問】
 大ペルシャ連邦構想とは?

 【回答】
 イランがアフ【ガ】ーニスタンおよび中央アジアに対して抱く野心.
 以下引用.

 イランは,地域の人口大国(「世界年鑑」<共同通信社>によれば,99年度で6275万人).
 この内,約半数強を占めるペルシャ人は,アフガニスタン,さらにタジキスタンにも多数住む.これら両国では,タジク人と呼ばれている.
 言語はイランではペルシャ語,アフガンではダリー語,タジキスタンではタジク語であるが,いずれも広い意味のペルシャ語であり,言わば「ペルシャ語圏」である.
 以上のように,タジキスタンのウラン鉱山が欲しければ,以上の3国を統合した「大ペルシャ連邦」を結成すればよい.

 また,この3国に跨る「大ペルシャ連邦」は,必ずしもペルシャ系民族が連続して分布しているとは言えない.
 中でも,イランに隣接するヘラートを中心とするアフガン西部には,タジク族もいるがハザラ族もいる.
 イランにとって都合のよいことに,ハザラ族はイランと同じシーア派イスラムを奉じている.
 この地域を支配していたイスマイール・ハーンは,ハザラ族だが,イランと仲が良い.かつ,イランもイスマイール・ハーンのワハダッディ・イスラミ軍を支援している.
 こうしたハザラジャード(ハザラ人の居住区の意味)を回廊とすれば,カーブル周辺からアフガン北部,さらに国境を越えて,タジク人の居住区となる.

 しかもこれら両国のタジク人には,イラン・イスラム共和国に範を求めたイスラム復古主義を掲げる勢力が少なからずいる.
 まず,アフガニスタンは,ラバニとマスード※の率いるジャミアテ・イスラミ(イスラム協会)があり,アフガンのタジク人勢力の中心である.
〔略〕

こうしたアフガンのジャミアテ・イスラミと,良く似た思想を持ち,同じく「大ペルシャ連邦」を夢見ているのが,タジキスタンの中部,ガルム地方に播居するタジク人のイスラム勢力.
 この勢力は,ソ連邦の崩壊によってタジキスタン共和国が誕生した際,旧共産勢力と争い,首都ドゥシャンベを一時支配したほどである.
 また,同勢力の一部が,タジキスタンへ派遣されていた国連政務次官・秋野豊氏を殺害している.

(松井茂〔軍事・外交評論家〕著「21世紀のグレート・ゲーム」
光人社文庫,2002/1/18,p.60-)

 ※ ただし,マスードのインタビューの内容を信じるならば,マスードはイスラーム・ラディカリスト(イスラームに準拠した近代主義者)であって,復古主義者と言えるかどうかには疑問もある.
 また,「ラバニ政府の行ったイスラーム過激原理主義政策」なるものは,実はヘクマチァール首相(当時)の仕業であるという話もある.


 【質問】
 2007年6月,イランでガソリン値上げにより暴動が起きたそうですが,産油国なのに何故?

 【回答】
 イランが貧乏で,精油技術が不足してるから.
 技術者はイラン革命で海外に流出してる.
 後継も育たず,技術取得した人材も国に戻らない.
 そういう悪循環がある.

IMFのレポートによるイラン経済の概況(PDFファイル)では,
・実質GDP成長率2004-5年:5.6%2005-6年(予想):5.9%
・輸出総額2004-5年:444億3千万$ うち石油・天然ガス関連:368億2千7百万$
 ちなみにサウジの輸出総額は1200億ドル以上,UAEも1000億ドルを伺う勢い.

 もっとも今回の値上げの背景には,イラン政界の事情も絡んでいる模様.
 以下引用.

Geopolitical Diary: Iran's Moves to Contain Ahmadinejad
STRATFOR:イランのガソリン値上げと,アハマディネジャド囲い込みの動き

May 24, 2007 02 00 GMT

 イラン国内では予想に反してガソリンの25%値上げが決定され,ガロンあたり30セントから38セントになる.
 イラン国営のFars通信が水曜日に伝えた.
 値上げは6月5日から実施される.

 イラン政府は5月20日に,ガソリン価格値上げの予定は無い,と言っていたのでこの値上げ決定は驚きである.
 値上げは国民の怒りを呼びそうで,アハマディネジャド政権の経済運営への不満を高めかねない.

 政府の方針が突然覆されたひとつの説明は,保守派の現実派グループがアハマディネジャドの追い落としを狙っているというもので,これは陰謀論のように聞こえるかもしれないが,幾つかの状況証拠がある.
 アハマディネジャドを囲い込もうとする政治的な動きが見られる.これはイランの外交政策めぐる政策の不一致が原因になっている.

 サウジアラビア国営のAl Hayat紙は21日にイランの国防大臣,Ali Larijaniが最近5回の辞意表明をしてなだめられており,それはアハマディネジャド大統領の無責任な言動が原因としている.
 アヤトラのハメネイ師がその辞任を止めていると書いている.
 アハマディネジャド大統領と高位の政治家の対立はイラク政策をめぐって高まっているとしている.
 アハマディネジャド大統領のイラク政策に関してアメリカとの対話を拒否する姿勢が,多くの保守派の反発を買っている.

 アハマディネジャドの強硬路線を支持するのは革命防衛隊や専門家会議の中のAyatollah Ahmad JannatiやAbolghassem Khazali,Mohammad Taghi Mesbah Yazdiなどである.
 しかしアハマディネジャド反対派が強力であったために,ハメネイ師が許可すれば罷免されるような状況になっている.
 ハメネイ師は,アメリカとイランの対話を前にイランの内紛の表面化することは拙いとして,とりあえず大統領罷免は避けられている.

 これに加えてイラン議会は22日に,次回の2008年11月の選挙で議員と大統領の選出を行なうことを222-120で決定している.
 これは議会の任期を7ヶ月延ばし,大統領の任期を4ヶ月減らすことになる.
 アハマディネジャド支持の元老会(Guardian Council)はこれまで同様の法案を2回拒否している.
 しかし今後は立場を変えるかもしれない.

 5月28からイラク安定化をめぐるイランとアメリカの対話が開始される予定であるか,その成り行きををめぐって各種の事件が起こりえる.
 アハマディネジャドを囲い込もうとする動きもその一つであるのだが,闘病中であるハメネイ師の動向で事態は変動し得る.

仮訳・ニュース極東板


 【質問】
 現在の日本からイランへの投資状況は?

 【回答】
<イランへの世界の投資>
は,AEIの製作した,インタラクティブな資料集で,イランへの各国,各会社の投資の現状を示すもの.

 これで見ると,日本のイランへの投資は2006年以降激減している.
 イランに関係する日本企業としては,三菱重工や川崎重工などがエントリーされている.
 日本のイランへの投資は減っているのだけれど,ワースト9に名前が挙げられている.

――――――
In 2006 alone, according to published reports, nine countries--Belarus, China, France, Germany, Hungary, Italy, Japan, Russia, and Turkey--did significant business with Iran in four major sectors of the economy: energy, construction, military, and transportation.

http://www.aei.org/publications/pubID.26147/pub_detail.asp
――――――

 今後,対イランのビジネスは風当たりがきつくなりそうな悪寒.

ニュース極東板


 【質問】
 イランのメディア規制の状況は?

 【回答】
 「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」によれば,イラン政府は放送メディアを,宗教・政治リーダーのアヤトラ・アリ・ハメネイ師のコントロール下に置き,政府のプロパガンダ機関として使っているという.
 また,亡命イラン人によるテレビ放送「National Iranian Terevision(NITV)」の衛星放送に対しては,キューバの協力を取り付けてまで妨害電波を発信し,その受信を妨害しようとしているという.

 詳しくは『SAPIO』 2005/6/22号,p.63を参照されたし.


 【質問】
 イランの公務員は反イスラエル・反アメリカの集会に出ないと処罰される,というのは本当か?

 【回答】
 シルクロードを徒歩で文字通り踏破したフィリップ・ヴァレリー Philippe Valeryは,そのように報告している.
 以下引用.

 ある男などはそっと近づいてくると,こう囁きさえした.
「こんなこと〔集会に参加〕するのは,情けないんだけどな.
 俺達,公務員は2ヶ月前からこの祈祷集会に動員がかかっていて,出てこないと処罰の対象になっちまうんだ」

「シルクロード紀行 いくつもの夜を越えて」,西東社,2005/7/20,P.132)

 処罰内容は現時点では不明.


 【質問】
 憲法擁護評議会とは?

 【回答】
 憲法擁護評議会は12名構成.
 半数が最高指導者により指名され,残りの半数は司法長官(これも最高指導者の任命)によって指名される.
 国会議員・大統領の候補者,また,専門家会議(イランの最高指導者を選出する機関)の候補者には,憲法擁護評議会による資格審査があって,これがいろいろな干渉行為を行う,と西側メディアには評判が悪い.

 【参考ページ】
入山映 in メディア・レボリューション(Yahoo!ブログ)2006年12月20日〔リンク切れ〕


 【質問】
 ハータミー大統領の性格は?

 【回答】
 以下の文献によれば,進歩派であり,前向きの思考を持っているように推察される.

 人の心を引き付ける笑顔と,個人の自由の幅を広げ,法の支配を強め,改革派の残党による非合法な活動を抑制するという公約により,ハータミーは一般投票で70%の票を獲得した.
 選挙から1年目の日に,一時はイスラム革命の温床となり,今は改革の苗床であるテヘラン大学で,彼は学生達を前に演説をした.
 ようやく賞賛の声がおさまると,ハータミーは集まった聴衆に語りかけた.
「我々の宗教は,これからは自由に対応していかなければならない.そうしなければ,我々の宗教に未来はない」
 聴衆の殆どは声援を送ったが,ある小人数のグループが,
「アメリカは死ね!」
という,かつての革命のスローガンを唱え始め,それを聞いた改革派の学生達が,対抗して
「独裁政権は死ね!」
と声を張り上げた.
「暫くの間,ハータミーは黙って立ち尽くし,夕日の金色の光が演台に差し込んでいた.
 そして,やがて発せられた彼の言葉は,全員を沈黙させた.
 イランの大統領はこう言った.
『私は,死のことではなく,生のことを語りたい』」★9
★9 'Iran : testing the waters of reform' by Fen Motaigne, National Geographic, July 1999

C. Kremmer著『「私を忘れないで」とムスリムの友は言った』
(東洋書林,2006/8/10),p.459

 ……と,何やら絶賛のご様子だが,比較データ未入手につき,信頼性の判断は保留.

 一応,同書には特に首をかしげるような記述は発見できなかったことを付記しておく.


 【質問】
 イランの対イスラエル戦略は?

 【回答】
 穏健派と強硬派双方とも,イスラエルの代わりにムスリムのパレスチナ国家を樹立する,という最終目標ではコンセンサスができている.
 しかし,強硬派が公然とイスラエル排除を求めるのに対し,穏健派はパレスチナ難民のみの投票によってイスラエル排除を図ろうとしているという.
 以下引用.

 (イラン)政権の指導者たちは穏健派と原理主義者双方とも,イスラエルの存在の不当性と(イスラエルに関する)最終的目標に関してコンセンサスができている.
 最終目標は,イスラエルの代わりにムスリムのパレスチナ国家を樹立することだ.
 しかし,両派の態度は対イスラエル政策をどう展開すべきかで分裂する.

 原理主義軍国主義派,その代表者がアフマディーネジャードだが,同派メンバーは,イランの公的なイスラエル政策を躊躇せず無遠慮に表明する.
 同派は権力を握って以来,対イスラエル政策を積極的に,かつ好戦的に解釈してきた.彼らはーーイスラム世界と西側の間の全面的な,歴史的な.生存を掛けた,道徳上の,文化的な闘争を反映する広範な世界観の文脈でーーイスラムにおけるイスラエル抹殺を公然と求める.
 今日,イスラエル,つまりパレスチナはイスラム世界と西側との全面的な闘争においては一つの戦線に過ぎない,※20

 一方,比較的プラグマティックな人々はイランが他の主権国家の破壊を公然と求めることには熱狂的ではない.それが,国際舞台でイランにとって有害に働くと知っているからだ.
 これらの実用主義的な人々とは,イランの前大統領ハタミを指導者とする改革派サークルや,ハタミの政策履行のために働き,イランの最高指導者ハメネイの支持を得たイラン外務省の人々だ.※21
 これらプラグマティックな人々によれば,イスラエルは別なやり方,つまりパレスチナ人の手で,また西側が好む「民主主義」の手段によって排除される.
 これら実用主義的な人々は,パレスチナの元々の居住者ーーつまりムスリム,キリスト教徒,ユダヤ人,そして当然ながら数世代のパレスチナ人のムスリム難民ーーだけが,自分たちの将来に関する選挙の投票権を持つと提案している.
 この提案によれば,その大半がユダヤ人であるイスラエル国民は,こうした選挙の投票権を持たない.なぜなら,イスラエルは正当な政治実体ではないからだ.
 こうして,ほとんどの投票がパレスチナ人ムスリムの投票となるため,イスラエルは存在を停止することになる.
 イランの指導者ハメネイも,この比較的穏健なアプローチの提唱者だ.彼は最近,この点に関する声明を発表し,上記の線に沿った反イスラエル闘争の継続を詳説したに.※22

 注;
 (20)アフマディーネジャードの「シオニズムのない世界」会議における演説の引用を見よ.:
「『傲慢の世界』に反対する戦いで,我々の親愛なるイマーム(ホメイニの意)はアルクhス(エルサレムのこと)を占領する政権を彼の戦いの標的に設定した.
 我々の親愛なるパレスチナで始まった(自爆作戦の)新たな波は・・・イスラム世界すべてに広がった.
 この不名誉の汚点(イスラエルのこと)は間もなくイスラム世界の中心から排除されるだろう
 ・・・そして,このことは達成可能だ」.MEMRI Special DispatcN0.1013
「イラン大統領はテヘラン会議でこう語った.『不名誉の汚点(イスラエルのこと)は間もなくイスラム世界の中心から排除されるだろうーーそして,このことは達成可能だ』」
http://memri.org/bin/articles.cgi?Page=countries&Area=iran&ID=SP101305.

また,アフマディーネジャードの発言「イスラム世界の誰であれイスラエルを公式に承認する権利はない」(2005年10月31日付シャルク紙)を見よ.

 (21)「文明間の対話」と「平和のための連合」のイニシアチブを含めたハタミ大統領の緊張緩和政策の枠組み内で.

A.サビヨン from MEMRI,2005/11/25


 【質問】
 アメリカはなんでイランを攻撃したがってんだ?
 核弾頭ミサイル開発中だから?

 【回答】
 「イラン・イスラム革命」でぐぐってみ.

 今は多少ソフトになったけど,以前のイランはアメリカを露骨に「悪魔」呼ばわりして,世界中のイスラム教徒にアメリカとの戦いを呼びかけてた,アメリカの敵だった.

 なまじ昔アメリカ(とイギリス)がバックアップして,自分達に都合のいい王様を立てて莫大な軍事援助を与えてしまった上に石油の出る国だから,無視するには国力がありすぎてなんともならない.

 2002年にブッシュたんが悪の枢軸認定をした.それ以降さらに激しくなった.

 1990年代,ペルシャ湾に米海軍出してイランを押さえる姿勢をみせてはいたが,2001年のアフガニスタン侵攻ではイラン側からのタリバン打倒のため情報提供などはあったとされるし,2003年のイラク侵攻にいたる過程でもテヘランはフセイン政権を除くことに協力的であったとされる.

 欧米諸国,ことにフランスなどはまた立場が異なるし,ロシアも独自の姿勢ではある.

 ちなみにアフガニスタンへ海港からの陸路が通じている国でもある.
 パキスタンの場合だと,カラチからペシャワル,カイバル峠 ジャララバード カブールという経路がよくニュースになるが,カンダハルへ抜けるルートもある.

 イランの場合もルートがやはりある.
 ヘラート方面へと繋がる.

 ちなみにブッシュたんが対決姿勢を険しくするまでは日本もイランで油田開発できたらいいなあと思ってた.
 アザデガンとかあるし,イランイラク戦争じゃアバダンとかホラムシャール関係である.
 三井物産とか石油化学とかが注ぎ込んでた.

 米国のイランに対する態度硬化で,アザデガンは交渉が行き詰まってしまった.

 日本との間には筑波大学助教授殺害事件(サルマンラシュディの悪魔の詩翻訳者であった五十嵐氏)など未解決の事案もあるが,かつてはビザ無しでイラン人は日本へ渡航できた.
 特に映画の分野で文化が発達しており,イラン映画のうちいくつかは日本にも紹介されている.
 また,大学生が誘拐されちゃった地震で壊滅した古都バムのように有名な遺跡も数多くあり,この一件で明らかなようにイランも麻薬を扱う犯罪集団には苦慮しており,アフガニスタンの泥沼化を望んではいない.

 だが一方で,イラクへ陰に陽に米国よりも強い影響力を与えている側面はあり,この点からも 米国には強い警戒感を与えることとなった.
 米軍の説では,イラク国内で貫徹力に優れる仕掛け爆弾が現れたのには,イランの工作部隊がかかわっていることになっている.
 最近では中部イラクでの治安改善に伴い,あまり聞かれなくなったが.ここらは米側の政権交代で政策見直しが行われていることも反映している.

 ただし現在,アメリカにはイランを占領するだけの陸上兵力が無いし,追従して大部隊を派遣してイラン人に吹き飛ばされようという酔狂な国も無い.

 航空攻撃で地下施設をいくつか潰すとか,そういう可能性は多少あったし,一時はイラン領内で極秘に特殊部隊が作戦しているという話はあったが,今は政権交代後,政策を打ち出していく段階で,かつ政権発足後のメディアとの蜜月期間(期待を軽々しくは壊さない時期)だから,そういう話はでてこないと思われる.

 中東にはイスラエルがいるからちょっと分からない面もあるが.

 アメリカがイランを攻撃したら,アラブのイスラム教徒全員を敵に廻す事になるだろう.
 いわゆる「聖戦(ジハード)」になってしまって収拾のつかない世界情勢になるな.

 ただ,アラブの国を支配する階層(大金持ち)はみんな実は
「イスラムの教えなんて結構どうでもいい.
 欧米に石油売って投資を呼びこんで儲けた金で一生遊んで暮らしたい」
と思っているので「イスラムの正義」にはあまり興味も感心もなく,アラブの「国」として連合してアメリカに対立するってこともないだろうが.

 また,ペルシャ人とアラブ人はまったく別で,現にイラク人はイラン人の容喙を嫌っている.
 1月末のイラクの州議会選挙でのSCRIの敗退もそこらに原因の一つがある.

 それにイランの核開発は,外貨獲得源である石油を自国の発電のために消費するのを避けるという面もあるらしい.

 で,将来的には弾道弾を打ち落とせる能力を持った駆逐艦を,米海軍はペルシャ湾に浮かべ,湾岸諸国はPAC-3あたりを購入することになるだろうけど,核兵器は抑止力になると北朝鮮をみて判断している可能性は確かにある.
 北朝鮮に抑止されているというような発言は米側でも出ている.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 アラブ諸国のイランへの恐怖って無いの?

 【回答】
 あります.

 アラブ人とペルシャ人ということで異民族同士ですし,宗教もスンニ派とシーア派の違いがあります.
 アラブ各国の殆どが非民主的で,多いにせよ少ないにせよ,シーア派を抱えてますから,イラン革命以降,宗教革命の海外輸出をもくろむイランには強い警戒感を抱いています.
 イライラ戦争で湾岸各国がイラクを支持・支援したのはその為です.
(人口を考えると,イランの軍事力に対抗できるのはイラクだけなので)
 GCC(湾岸協力会議)の発足は対イラン同盟といっても過言ではないです.

イスラエル国防相◆3RWR.afkME


 【質問】
 イランの軍需産業ってどれくらいのことができるのでしょうか?
 イスラエルにヒズボラが使った無人攻撃機とかイラン製みたいですが,組み立てや多少の開発はできる基盤があると見てよいのでしょうか?
 それともただ他国(ロシア・中国)の設計図や組み立てキットを仕入れてイラン製と称してる程度?

 【回答】
 元々,陸軍系の軍需産業は,帝政時代に米国から技術導入して,工場を造っています.

 例えば,L7戦車砲の米国版M68は国内で生産しており,砲弾も国内で自給しています.
 M109自走砲の155mm戦車砲弾も国内で自給しています.
 その後は,ロシア製兵器,神戦車T72などの国産化も図っています.
 海軍関係でもバンダル・アバス辺りに造船所があって,小艦艇は自前で生産出来ますし.

 こうした戦車を生産するには自動車関係の基盤整備が必要ですが,帝政イラン政府では,重工業育成のため,輸入自動車に高関税を掛ける政策を設け,まずはノックダウン生産を手がけさせます.
 最初はベンツのバス,トラックのノックダウン生産,次いで,英国ルーツグループから,ヒルマンハンターのパテントを購入して,最初はノックダウン生産から徐々に比率を高めて,最終的に100%近い国産化を達成しました.
 その後はフランスからシトロエン,プジョー,米国のジープ,GMC,日産などのノックダウンもしくは国産化を行っていると言う感じです.

 こうした基盤を元に,戦車や砲,それに装甲車は作られていますが,殆どがライセンス生産もしくはコピー生産,
 また装甲車は,4×4トラックなどのシャシーに装甲ボディーを架装したものだったりします.

 最近は旧共産圏諸国,中国,北朝鮮からの人材,特にロシアの人材を受け入れて,軍需産業を発展させようとしていますので,その御雇外国人が絡んだ部分での発展は著しいものがあります.

眠い人◆gQikaJHtf2


◆◆◆アフマディーネジャード政権


 【質問】
 アフマディーネジャード大統領の従軍歴は?

 【回答】
 (MEMRI)によれば,経歴は以下の通り.

テヘラン南東のガルムサル生まれの49歳.
8人兄弟の4番目.父親は鍛冶職人.アフマディーネジャードが1歳の時一家はテヘランへ引越した.
1980年,革命学生集会で活躍.この集会がイスラム革命をもたらした.1980年にイラン・イラク戦争が勃発すると従軍し,西部正面で戦った.
1986年,革命防衛隊に入隊し,イラクのキルクークで秘密作戦に参加.後に革命防衛隊第6軍の工兵総監,革命防衛隊西部方面軍参謀長となった.
1987年,科学技術大学から交通・運輸工学及び計画の分野で工学博士号を授与された.
1980年代には4年間西アゼルバイジャン州の二都市(マークー,クボイ)で市長,クルディスタン州知事の顧問を2年間勤めた.
1993年,文化省の顧問として働いている時,アルダビールの北西州の知事に任命された.3年間の在任中模範知事≠ノ選ばれた.
1997年,知事としての任期切れと共に,科学技術大学の土木工学部科学評議会理事に任命された.2003年にテヘラン市長に選出されている※11.

 「イラン革命の際の米大使館占拠事件を起こしたメンバーの一人」という話は,ガセである様子.


 【質問】
 2005年の大統領選挙では,なぜアフマディーネジャードが勝利できたのか?

 【回答】
 入山映によれば,ラフサンジャニならびに当時の体制の権益独占,あるいは腐敗に対する抗議の意思表明だという.
 ここでの権益というのは,もとより国家収入の8割を占める石油利権なのだが,それがあからさまに問われるのではなく,タテマエとしての「イスラーム体制の正統性」と関連するから話が見えにくくなる,と説明されている.
 すなわち,「既得権益層」対「新興挑戦者」という構図に加え,
・人口の半数が20才以下という若い人口構成
・最高指導者体制の事実上の相対化を計ろうとする勢力の,80年代終わりから90年代にかけての敗退
という要素から,アフマディーネジャード政権が誕生すること_なった模様.

 【参考ページ】
入山映 in メディア・レボリューション(Yahoo!ブログ)2006年12月20日〔リンク切れ〕

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 アフマディーネジャード大統領の宗教への入れ込みぶりは,どの程度なのか?

 【回答】
 G. W. ブッシュ大統領にイスラーム入信を勧める手紙から推察されるように,自分を預言者ムハンマドやホメイニ師に擬するほどであるという.
 以下引用.

ブッシュ大統領にイスラム入信を勧めたアフマディネジャド―預言者ムハンマド,ホメイニ師に並ぶ気負い―
A・サヴィヨン

はじめに

 イランのアフマディネジャド大統領がアメリカのブッシュ大統領に送った2006年5月7日付書簡は,ホメイニ師が1989年にソ連のゴルバチョフ大統領に送った書簡を,手本にした内容であった.
 それはまた,1400年前預言者ムハンマドがエチオピアの王を初め世界の支配者に宛てた書簡を手本にしたものでもあり,人類を導く優れて正しい道であるイスラムを受入れよと求めた点も,そっくりである.

自分を預言者ムハンマドやホメイニ師に擬するアフマディネジャド

 ブッシュ大統領宛アフマディネジャド書簡は,イスラムに立脚するある種の宗教的文化的世界観を述べたもので,人類を導く正しい道としてイスラムを讃えている※1.
 この書簡は,宗教的色彩が濃厚で,イスラム入信を勧めるところなど,ホメイニ師と預言者ムハマンドの手紙の内容をなぞったものである.

 次に紹介するのは,1989年にホメイニ師がソ連のゴルバチョフ最高会議幹部会議長(当時の肩書)に宛てた書簡概要である※2.
「あなたが成功するには,まず第一に前任者達がたどった道を見直し,修正することです.
 即ち,神と宗教から離れた前任者達の轍を踏んではなりません.
 その考え方が,これまでソ連の人民に多大な打撃を与えてきたのです.
 あなたは,世界の諸問題を解決するにはひとつの方法しかないことを,知らねばならない.
 貴国の主な問題は,所有形態や経済或いは自由の問題ではない.
 あなたが抱える主要問題は,神に対する真の信仰を欠くところにある….

 さて,本題に入りましょう.
 あなたには是非イスラムのことを真剣に考えていただきたい.
 イスラムやムスリムがあなたを必要とするからではなく,イスラムがすべての人民に慰安を与え救済し,すべての国の諸問題を解決するからです…」.

 ブッシュ大統領宛の手紙で,アフマディネジャドは,預言者ムハンマドがエチオピアの王に宛てた書簡で使った同じコーランの章句を使った.
 そして,最近インドネシアの首都ジャカルタを訪れたアフマディネジャドは,ブッシュ宛書簡を「イスラム入信を勧める」内容であると言った※3.
 アフマディネジャドは,イランのシーア派ムスリム史のなかで預言者ムハマド自身に類似した役割を担うつもりのようである.少なくともホメイニ師に比肩できる地位で,ものを言いたいようだ.シーア派のなかには,ホメイニ師を「隠れイマーム」と考える人が多いようである※4.

次に紹介するのは,ブッシュ大統領宛書簡の概要である※5.
「聖典によれば,我々すべての者は,唯一神を信仰し,聖なる預言者の教えに従うことが求められている.世界中のあらゆる力に超越し,意のままに何でもおできになる唯一神を信仰することである….
 全能の神は,奇跡と明瞭なお告げを持つ預言者を送られた.人々を導き,神のお告げを伝え,そして罪と汚れを清めるためである.
 そして神は,人々が正義をおこない謀反をさけるように,啓典と天秤を送られた….
 聖なる預言者は,全人類が全能の主の宮に集まり裁きをうける日が来る≠ニ約束された.善をなした者は天国へ導かれ,悪をなした者は神の報いをうける.
 私は我々二人とも,その日がくることを信じていると思うが,支配者達の行為をかぞえあげるのは,容易な仕事ではない….

 リベラリズムと欧米式の民主々義は,人類の理想顕現には役に立たなかった.この二つの概念は今や破綻した.
 洞察力のある人々は,ルベラルな民主的システムのイデオロギーと理想が,砕け散る音を聞くことができる.

 我々は,世界中の人々が全能の主なる神の許に集いつつある姿を目のあたりにしている.この人々が,神の存在を信じ預言者の教えに従うことによって,自分達の抱えるさまざまな問題を克服することは,疑問の余地がない.
 そこでお尋ねしたい.あなたもこの人々のなかに加わりたくはないのか.

大統領閣下

 我々が好むと好まざるとに拘わらず,世界は全能の主に対する信仰に惹かれつつあり,神の御意志があまねくすべてを支配するであろう.
ヴァサラーム アラマン イッタブア アルフーダ

         イラン・イスラム共和国大統領
         マハムード・アフマディネジャド

教科書にのせ代々伝えよ―ジャンナティ師アフマディネジャド書簡を絶賛

 5月12日,テヘラン大学における金曜説教で,守護評議会書記のアヤトラ,ジャンナティ師はアフマディネジャド書簡を神意≠ナあると評し,
「この手紙は,イマームのホメイニ師が歩まれた道の延長線上にある」
と述べ,両者の違いについては,
「ホメイニ師の手紙は,最高指導者の立場で書かれ,アフマディネジャドの手紙は,大統領の立場で準備された…この手紙は神意である.神は我国の国力増強を望まれており,その神意を明らかにされたのである…※6」
とし,更に語を継いで次のように言明した.
「アフマディネジャドは信仰心の篤い勇気の人であり,そのような人物の言葉は耳を傾ける価値がある.
 大統領は,イスラムと国家の名誉を代表する…(アメリカが)応答するかどうかに拘わりなく,アメリカは傷つく.
 彼等が応答するのであれば,一体何をどう伝えるのであろうか.
 応答しないのであれば,それは彼等の弱さと恥をばらすことになる.
 すべての人を驚倒せしめたこの手紙を,イラン以外一体何処で書けるというのだろう.
 アフマディネジャドは尊敬に値する人物である…
 この手紙は子供達全員に読み聞かせなければならない.学校で大学で音吐朗朗と読みあげなければならない.報道機関は繰返しその言葉を伝え,将来は学校の教科書に掲載しなければならない」※7.

 ジャンナティは「イマーム(ホメイニ師)がロシア人にあなた方の問題は経済ではなく,アッラー否定に由来する≠ニ言われたが,欧米も完全に行き詰まっている…
 外面の見せかけだけは偉大だが,アメリカは,腐食,崩壊しつつある」
とつけ加えた※8.

アフマディネジャド,ホメイニ同一視に対する内部批判

 保守系議員アフラフ(`Emad Afrough)は,以前アフマディネジャドの政策を批判した人物であるが,
「この(アフマディネジャド)書簡をイマームの手紙と同一視することはできない.
 イマームは宗教,道義の最高指導者という立場で書かれたのである…
 師はマルクス主義政権のさしせまった崩壊を予見し…ロシアの共産主義指導者達に救済の道を提示された…
 大統領のアドバイザーのなかには,更に一歩進んで,(アフマドネジャド)書簡を預言者の道と比較することすらやった者もいる…」
と批判した※9.

※1 書簡内容は,2006年5月9日付IRNA,同日付ルモンド(パリ)を参照

※2 2003年1月30日付 MEMRI SD 463を参照
http://memri.org./bin/articles.cgi?Page=archives&Area=sd&ID=SP46303

※3 2005年5月11日付 IRNA

※4 アフマディネジャドは2005年9月 国連総会で演説した後ニューヨークより帰国し,テヘランのアヤトラ数名に,
「オーラが自分を包みこみ,隠れイマーム≠フメッセージが,自分の演説を聴いている人々に届いているのを感じた」
と言った.この隠れイマーム≠フ出現については,いくつかの機会に触れている.

※5 2006年5月9日付 ルモンド

※6 2006年5月13日付 Kayhan(イラン)

  =@ =@14日付 Sharq(イラン)

※7 2006年5月14日付 Sharq(イラン)

※8  =@ =@13日付 Kayhan

※9 2006年5月17日付 Jomhouri-ye Eslami(イラン)

MEMRI, 2006/5/20

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 アフマディーネジャード政権の閣僚は?

 【回答】
 強硬派寄りの新政権を反映した内容であり,また,地元自治体の元同僚を大統領が指名する傾向を示している.
 経験に乏しい閣僚の就任の行く末について懸念があるという.
 以下引用.

 アフマディーネジャード(Ahmadinejad)氏が当選を果たした大統領選は,政権に新たな顔ぶれをもたらすとの公約を基にしていた.
 同氏は,アヤトラ・ホメイニ(Ayatollah Khomeini)師が確立した革命の原則を以後の歴代内閣が忠実に守らなかったため,1989年(の同師死去)から革命は正しい路線を外れたと主張した.同氏は特に,石油省を中心とする政府のあらゆる面に染み渡った腐敗について酷評し,全政府機関の徹底的な浄化を言明した.
 当然,これが実際に意味するところについては相当の懸念があり,一部高官は,経験に乏しい閣僚の就任の行く末について懸念をあらわにしている.

 アフマディーネジャード大統領は,閣僚名簿作成に異例に長い時間をかけた.当初の人選が強硬派路線の国会に対する懸念を呼び起こしていたため,諮問に相当の時間を費やした.
 これを,良い人物を任命しようとする大統領の誠実さの現れとみる向きもあれば,大統領自身の経験不足や他者への依存を表す,気がかりな兆候と捉える向きもあった.
 最終的に提出された閣僚名簿は,省庁での経験に乏しい人物から成っているという点で驚きはほとんどなく,強硬派寄りの新政権を反映した内容だった.
 実際,国を統率する大統領として改革派政権時代の変化を元に戻す決意であることを,同大統領は人選を通じて明らかにした.
 文化省,情報省,内務省はすべて,疑わしい経歴のある強硬派の人物を抑え込むよう言い渡された.
 情報省が知識人の殺害に深く関わっていた時代に,当時のファライアン(Fallahian)情報相の下で次官を務めていたプールモハンマディー(Pourmohammadi)氏が,内務相として信任されたが,省内で粛清を開始するとの懸念が浮上している.
 同様に,エジェイー(Ejei)新情報相は,革命裁判で知識人を追い詰めたとして広く批判されている.
 一方,ハランディー(Harandi)氏については,ケイハン(保守派で最も強硬な有力紙)副編集長だったといえば,紹介は不要といったところだ.

 こうした一連の人選は,大統領が地元自治体の元同僚を指名する傾向を示しており,改革派や保守穏健派の間で広く懸念されることとなった.
 もちろん,こうした省庁に対する保守派の管理の下,強硬派が路線を緩めることも十分ありうる.
 新総裁任命後のイラン国営放送(IRIB) はその例だ.
 IRIBは,強硬派として知られるアリ・ラリジャニ(Ali Larijani)前総裁(現最高安全保障委員会事務局長兼核問題交渉責任者)の時代には,繰り返されるパレスチナの映像が特徴的だった.
 しかし,これをやめ,代わりにロード・オブ・ザ・リングやハリー・ポッターなどの娯楽物を大量に放送した.これは,目標はともかく,アプローチが変更されたことを示す動きだ.
 つまり,国民を満足させ黙らせておきながら,厳格な管理は続ける方法だ.
 顧客満足度は経済を発展させることで上昇するだろう.
 ただ,この国では自己満足や国家主義的なポピュリズムが強調されそうだ.

 原油高のおかげで新政権が策略を実行する余地はかなりあるだろうが,この点でも,堅固な国家主義寄りの傾向は明らかだ.
 石油相候補のサイドルー氏は,経験不足と,ある次官の挙げた次のような背景から不信任となった.
「石油部門には複雑な問題がある.経済的かつ政治的な問題だ.
 交渉の際,欧州勢に揺さぶりをかけようとすれば,テコとなるのは石油だ」

 信任投票(出所:イランマニア)
国会により信任

 未就任:石油相,教育相,協同組合相,福祉・社会保障相(2005年8月25日現在)

「アフマディーネジャード氏の当選とイラン・EU関係への影響」


 【質問】
 アハマディネジャド大統領の「イスラエル抹殺発言」は,具体的にはどのようなものか?

 【回答】
 MEMRIによって引用されるところによれば,その主旨はおおよそ次のようなものになっている.

 イスラエルは腹を切って死ぬべきだ.また,それはただの絵空事ではない.ホメイニ師の卓見が,その当時はありえないと思われたにも関わらず,その後,実現していることを思い起こすべきだ.彼らはイスラム共同体(ウンマ)の火に焼かれる者達だ.
 パレスチナ問題は終っていない.ガザ撤退で終わらせようとするイスラエルに警戒すべきだ.理由は 難民は故郷に戻らなければならず,人民の意志による政府が樹立されなければならないからだ.
 詳しい理由は政府広報等で熟知すべし.

 画像,間違い(笑)

 要するに,パレスチナ問題を「終わり」にさせるな,というのが声明骨子であって,イスラエル抹殺はいつものアジテーションに過ぎず(中東メディアではありふれたアジ),それほど騒ぐこともないと思われるのだが.

 以下,MEMRIから引用.

 ホメイニ師(Ayatollah Khomeini)によって設けられたイランのエルサレム・デーは,毎年ラマダン月の第四金曜日に記念行事がおこなわれる.
 今年はそれに先立ち,行事の一環として,「シオニズム無き世界」と題する会議がテヘランで開催された.
 会議には,ハマス及びイスラム聖戦の代表,パレスチナ民族防衛協会,イスラム学生同盟の各メンバーのほか学生数百名が出席,イランの大統領アフマディーネジャード(Mahmoud Ahmadinejad)が,出席者を前に演説した.

 大統領は演説の中で,イスラム世界と「傲慢の世界(西側)」との昔からの長期対決について触れ,イスラエルとシオニズムを西側の反イスラム闘争の尖兵と位置づけ,イスラエル抹殺の必要性を力説した.
 そして,イスラエル抹殺は達成可能と主張した.

 〔略〕

イラン学生通信社(ISNA)は大統領演説の全文を配布した.次に紹介するのは,ISNAの報道及び演説の概要である※1.

 演説に先立ち,大統領は,諸君が「イスラエルに死」というスローガンを叫ぶつもりなら,適時適切に斉唱せよ,と言った.
 大統領は,イスラム世界の指導者達に警鐘を鳴らし,フィトナ(試練,内紛)に注意すべきであると強調した.
「覇権主義(西側)の圧力にさらされ,迷妄におち,逡巡し享楽に走る者は,結局シオニスト政権を認めるようになってしまう.
 そのような者は,イスラム共同体(ウンマ)の火に焼かれることを知るべきである」
と大統領は述べた.

大統領は,シオニズムの本性を明らかにして,次のように述べた.
「我々は,パレスチナの本当の姿を知らなければならない.
 …エルサレムを占領している政権の設立は,イスラム世界を目の敵にする覇権主義の傲慢体制(西側)による,まことに憂慮すべき深刻な行動であった.
 我々は,イスラム世界と驕慢世界との歴史的戦争の只中にある.
 この戦争は何百年と続いてきた,食うか食われるかの戦いである.
 この歴史的戦争においては,戦いの正面は,何度も状況が変った.
 時代によっては,ムスリムが勝利し,極めて活動的で前進につぐ前進を続け,傲慢の世界が後退した時もある.

 不幸なことに,この300年間,傲慢の世界を相手に,イスラム世界は後退を続けている…この100年間をみると,イスラム世界(の城壁)は崩され,傲慢の世界はイスラム世界の支配に向けて,エルサレム占領政権をその橋頭堡にしている….

 この占領者(イスラエル)は,事実上驕慢世界のフロントであり,これがイスラム世界の心臓部にせまってくるのだ.
 驕慢世界は攻撃拠点(イスラエル)をつくり,そこを足掛りとして膨張し,イスラム世界全体の支配をもくろんでいるのである…これは,現在進行中のパレスチナにおける戦いがイスラムの対驕慢世界戦争の第一線,であることを意味する.
 やがてこの戦いがパレスチナの将来を決するのだ.

 今日,パレスチナ民族は,イスラム共同体(ウンマ)の代表として,覇権主義体制との戦いの第一線に立っている.
 神に感謝すべきことであるが,パレスチナ人民はイスラムのゴールをめざしてイスラムの戦いに挺身している.
 彼等の闘争は,性格と方向性にイスラム性を帯びている.
 そして我々は,パレスチナ人民のあげる戦果と前進を日々目のあたりにしているのである.

 この(シオニズム無き世界)会議の扱う問題は,まさに当を得たものである.
 この重大な戦争にあって,多くの人が,イスラム世界対異教不信心フロント闘争に関して,絶望と失意の種をまき散らしている.
 彼等は心の中でイスラム世界をからにしたいのである.
 彼等は,アメリカとシオニズム無き世界を見ることが本当に可能なのか,とたずねる.
 しかし,君達が一番よく知っているのではないか.このスローガンとゴールが達成できることを.勿論可能である….

 イマム(ホメイニ)が,(パーレビ)政権は退陣しなければならぬ,我々は従属政権無き世界を求めると言われた時,政治のことなら何でも知っていると自称する多くの者は何と言ったか.
『そんなことがあり得る?』
と言ったではないか.
 あの日,イマムが運動を開始された時,すべての列強が(パーレビの)腐敗政権を支持し…退陣などあり得ないと言った.
 しかし我々人民は一歩もひかずに,立ち向かった.
 そして現在この27年間,我々はアメリカ従属政権無しで,ちゃんと生きてきた.
 イマム(ホメイニ)は,
『東側(ソ連)と西側(アメリカ)の支配は終りにしなければならぬ』
と言われた.
 しかし,自分のすぐ近くの世界しか見えない弱い人々は,その言葉を信じなかった.
 いつの日か我々が東側帝国主義(ソ連)の崩壊を目のあたりにするとは誰も信じず,鉄の体制だと言った.
 しかし間もなくして,この体制は見るも無惨に崩壊した.
 崩壊の仕方がただならぬことなので,図書館で文献を探さなければならないが,それに関する資料はないのである.

 イマム(ホメイニ)は,サッダム(フセイン)は退陣しなければならぬ,さもなければ類のないやり方で侮辱される,と言われた.
 果してどうなったか.
 10年前永遠に生き続けるようなそぶりで,意気揚々としていた男が,今では足枷をつけられ,自分の国で裁判にかけられているではないか.

 イマム(ホメイニ)は,
『クッズ(エルサレム)占領政権は,歴史から抹殺しなければならない』
と言われた.まことに当を得た賢明な言葉である.パレスチナ問題は,我々が妥協できる問題ではない.
 (イスラミック)フロントが,その心臓部にほかのフロント(国家)の存立を許すことなど,果して可能なのだろうか.
 この政権(イスラエル)の存在を受入れる者は,イスラム世界の降伏文書にサインするのと同じである.
 傲慢な世界を相手とする戦いで,尊師(ホメイニ)は,クッズ占領政権を攻撃目標として標定された.
 我等の愛するパレスチナで生まれ,イスラム世界にも波及している新しい波は,イスラム世界全域にひろがる道義の波である.
 この恥辱の汚点(イスラエル)は,すぐにイスラム世界の中心から消滅する.
 これは達成可能なことなのである.

 しかし我々は,フィトナに注意しなければならない.
 50年以上も傲慢の世界は,この偽りの政権(イスラエル)の存在を承認しょうと躍起になってきた.初段階から,第2第3段階と,この方向で政権を安定しようとしている.

 残念なことに,27-8年前,第一線に立つ国のひとつ(エジプト)が,(イスラエル承認という)失敗をしてしまった.
 我々は今でも(エジプトが)誤まりを正すことを期待している.希望は失わない.

 最近我々は新しいフィトナに直面している.
 (ガザの)強制退去を以て,彼等(イスラエル)は,ほんの片隅からの撤退を済ませてしまい,これが最後,我々の勝ちと嘯いている.
 パレスチナ人の希望に終止符をうとうとしているのだ.
 今日連中(イスラエル)は,サタンさながら欺瞞にみちたやり方で,戦闘の主導権を握ろうとしている.
 政治問題や失業問題に専念させようとパレスチナ諸派を動かそうと躍起である.
 意図はみえすいている.将来を決するパレスチナの大義を放棄させ,諸派の抗争にもちこんで,内紛状態にしようとしているのだ.
 連中(イスラエル)は,さも善意にあふれたような顔付きをしているが,ガザ回廊からの撤収と交換に(国家の)認知を得たいのだ.
 願わくば,このフィトナに警戒して欲しい.

 パレスチナ問題は終っていない.
 パレスチナの全域が,パレスチナ人民に所属する政府の手に帰した時,初めて問題は終結する.
 難民は故郷に戻らなければならない.人民の意志による政府が樹立されなければならない.そして勿論,はるか遠方の地からこの国へ略奪目的でやってきた者(ユダヤ人)は,(パレスチナ)人民を左右する事柄に,何等決定権を持たない.

 パレスチナ人民には,過去10年の戦いで発揮した警戒心と智謀を是非維持して欲しい.
 これは,短期間のことになる.
 この期間をうまく通過すれば,シオニスト政権の抹殺過程は円滑且つ簡単になる.

 私はイスラム世界の指導者全員に,フィトナを警戒せよ,と警告する.
 覇権主義勢力(西側)の圧力にさらされて,何処かが,間違っているとか,自分はナイーブとか考えたりすればその迷妄,逡巡そして享楽主義がシオニスト政権の承認につながってしまうのだ.
 そのような人間は,イスラム共同体(ウンマ)の火に焼かれることを,覚悟しなければならない…
 閉めきった部屋にこもる者は,この問題について何も決定できない.
 イスラム人民は,この歴史の敵がイスラム世界の心臓部に存在することを,絶対に許せない.

 おお我が愛する民よ,世界をしっかり見渡して欲しい.
 我々は誰から挑戦をうけているのか?
 目をしっかり見開け.我々は,敵によって我々におわされた屈辱の深さを,理解しなければならない.
 我等の神聖なる憎悪が広がり続け,波となって相手を打ち砕くまで,その屈辱は晴れないのだ.

※ 1 2005年10月26日付イラン学生通信(ISNA)

(from "MEMRI"


 【質問】
 なぜイランは強硬路線をとるようになったのか?

 【回答】
 一言で言えば,
「アメリカがアホやから,国際協調ができへん」

 北野幸伯(よしのり)のロシア政治経済ジャーナル No.368によれば,イランのハタミ前大統領は1997年〜2001年まで,アメリカとの和解を目指してがんばってきたが,そんなイランをブッシュは「ならず者国家」「悪の枢軸」と呼び,挑発.
 さらにイラク戦争によってで,米イラン関係は決定的に悪化したという.

 入山映も,以下のように述べる.

――――――
 そうでなくとも反米が一般的思潮であるところに,「悪の枢軸」だの武力介入だのをほのめかして,ペルシャ以来の中華ならぬイラン大国意識を逆なでする.
 本来ならば排外過激思想に拮抗して出現するはずの協調穏健思想の,芽を摘む結果になるのは見やすい.

 これを再度,既得権益層に対抗する新興勢力と重ね合わせてみると,国際協調が封じ手になればなるほど,新興勢力が保守勢力を困惑させる言説に集中することになるのはほとんど自然の成り行きだと言ってよい.
 アフマディネジャド個人の奇矯な性格と片付けるのには余りに根の深い構図が見えてこようというものだ.

――――――入山映 in メディア・レボリューション(Yahoo!ブログ)2006年12月20日〔リンク切れ〕


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